2017-06

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among/amid

 夜は、段々と訪れる優しさをもっているけれど、雨は突然降ってくる。
 心は空だ。
 今日も、目立ったきっかけなんかなくて、気づいたときにはびしょ濡れだった。

 今まで晴れていたのに、どうして?

 考えるだけ無駄な、ちょっとした気分の変化に戸惑う。
 雲は、過去という名の思い出と、未来という不安で構成されている。
 やがて、過去の痛みと未来への苦渋が膨張し、膨らみきった雲は、地面へ向けて、私へ向けて、堕ちてくる。
 白いのか、灰色なのか、薄暗いのか、曖昧な雲は体を包み込み、視界を遮る。
 狭まった視野では、雲のむこうを考えることなんてできないし、包まれてしまったら、霧のような雲の中で迷子になるだけ。

 なにも見えない。
 なにもできない。
 なにもわからない。

 自分を信じられなくなったら、『自分』という自分にとっての神の声は聞こえなくなるのに。
 現実の眩しさに耐えられず、心は光に背を向けてしまう。

 なにもしたくないし、するのは怖いし、常に怯えている。

 私は、独りを知らないが、私は孤独を知っている。
 私は、私と僕を揺れて、足場のない現実を生きている。
 気付かれないよう、できるだけ普通に、馬鹿な人間として生きたい。
 そこに、男とか女なんて概念はない。決めるのは周りだし、興味がない。強いて言うなら、男にも女にもなるし、動物や植物にだってなる。
 総ては、細部に渡る妄想映像と暗示のおかげ。

 私は私を、意味もなく信じているから
 私が私を騙すとき
 私は私であり
 私でさえない

 果物の中にいる虫と、蟲に囲まれて熟れ行く果物は同じ異端。
 前者は虫が異端で、後者は果物が異端なのに、果物はいつも食べられている。
 変なの。

 八百屋の店頭に並ぶ果物の列に、一つだけ破損した果物がある。
 これも異端。
 でも、同質だから、許される。
 同質の異端と、異質の異端は、違うんだ。

 求めるのは、同質の異端? 異質の異端?

 果物。
 甘い毒。
 甘美な時間。
 現実は、薄れる。
 だから、あまり見ちゃいけない。

 貴方が私を覗くとき
 私も貴方を覗いている。

 深遠から、異物が、くる。
 仲睦まじい、男女(ヒト)という異物が、果物の私を喰らう。
 だから、毒を身に着けた。
 本当は、ただそれだけの話。
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Beloved Transmigration

 例えば男なら、どうしようもなく湧き上がる衝動があって、吐き出したくて仕方がない。
 例えば女なら、どうしようもなく欠落した衝動があって、それを埋めたくて仕方がない。

 例えば私なら、どうしようもなく暴走した衝動があって、憎くて憎くて仕方がない。

 憎いからこそ、笑える。笑っている。
 底知れぬ憎しみは、糸を引く、ねばりを帯びた軟泥のヘドロ。
 自分の中で、何度も何度もこねくり回して、理科の実験で作るスライムのように粘度を高めたら、それを幾層にも積み上げて、太陽に晒す。

 乾燥した憎しみは固形となって、硬く聳える黒い柱になる。
 そこでやっと、底知れぬ憎しみは、天井知れない憎しみへと変わる。

 仕上げに『笑』という名前のヤスリをかけて、憎悪を尖らせ、磨く。
 そうすればいつか、出来上がった黒い槍で、なにかを貫ける気がする。
 誰かの心か、自分の心か、あるいはなにかの社会かもしれない。

 ぶち壊せ! 叫び狂う。

 異端の道は、イバラの道、しかし、そのイバラは透明で、見えない。
 見えないけれど、確実にあるわけで、気付いたときには血だらけだ。

 生き抜けるのは、笑える奴。
 憎しみで造った黒い槍で、見えないイバラを薙ぎ進む。

 イバラに閉ざされた、“本心”というお城で、姫は眠っている。

 最愛の人は、もういない。
 孤独感に苛まれ、眠ることを決めた君を、僕はこの槍で殺すだろう。
 何度も、何度でも。
 姫は永遠に、死を繰り返す。

 愛してるから、死んでくれ。

 でも、ある日、僕は姫に殺された。やり返された。
 そうして「“僕”という名の激情」を失った僕が、目を覚ますのはいつだろう。
 姫は僕のように、黒い槍を持って、殺しに来るだろうか。

 そのときは……
 愛してるから、死んでおこう。と、自殺する以外にない。


 mp1.jpeg

 地へと広がる光の翼は、蔓に巻かれ、飛び上がることはない。
 割れたガラスの向こうは、トゲだらけ。
 

Spthx N,,,To...

 深く進むほどに、霧に覆われた自分が見える。
 深く考えるほど、君が誰なのかわからなくて、いつまでも問いかける。


nk.jpeg

まみむめも

                         まあいいじゃん
                         みんなそうだよ
                         無駄なことなんて
                          めったにない
                         もどれないけど
                          今笑えれば
                         もどる必要なんて
                           ないもの

MmFthKids


                            花が咲いて
                            風が吹いて
                             僕は笑う

                            花が枯れて
                            風が止んで
                             僕は一人

                            連れて行く男
                            着いて行く女

                             残されるは
                             欠陥品

                              でも

                            そんな自分も
                              愛してる

                            他に人がいない
                            そんな世界は
                            もう、飽きたよ

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