2009-03

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Method

 暖かな風が、包むように落ちてきた。
 風が髪を抜け、頬に触れ、優しい愛撫のように爪先まで流れると、風を追うようにして、温水が降り注ぐ。

 汚れは、落ちただろうか。

 私はシャワーを止めて、屋外風呂へ出る。

 青々と茂る木々の匂いは、まるで凝縮した一つの命のようで、少し吐き気がした。
 むっとする匂いから逃げるように、見上げた場所には、空があった。
 空が青いのか、空よりも向こうが青いのかわからなくなるくらいの快晴。心が安らぐのと同時に、仄かな虚しさを感じる。

 山間の崖っぷちに張り出した露天風呂で、仁王立ちとまではいかないにせよ、のんびりと立つ尽くす私は、間抜けな雰囲気が出ているだろうか。
 いや、多分間抜けそのものだ。
 誰もいないからできる行動だなぁ。と思う。
 景色のせいか、裸だからか、それとも両方なのか、自分の小ささに笑ってしまった。

 小さな自分。
 憎むべきか、愛すべきか。
 考える小ささに笑えて、どうでもよくなった。
 立った間抜けは、おまけに一人でクスクスと笑い始めて、もはや変人かもしれない。
 誰かに陵辱され、誰かを愛せなくなったからって、忘れた方法を取り戻す必要なんてないのかもしれない。
 変人は変人らしく、笑えばいいのだ。
 密度の濃い青々とした世界へ、崖っぷちから飛び降りれば、多分、もっと笑えるはず。

 木製の柵から上半身を乗り出すと、向き出しの肌に風があたった。
 下を見ていると、吸い込まれそうだ。

 だから、上を向いて、上を向いて――
 瞳を焼き尽くしてしまいそうな太陽を睨みつけながら、『いつかこの傷が大きなものをくれる』と信じた。

 私の神様は私
 だから、もっと大きな声で笑えるんだ。
 どこまでも続いていそうな、楽しい場所を求めて、夜を走り抜ける。



 
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